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【暮らし再考!暮らし最高!】 

  省エネ性能についてのエピソードを一つ…

この家は23年前、幼なじみの「彼」から、

「温かくて快適な家を」との依頼により創った家。

場所は長野県軽井沢町。

標高1000m、真冬の気温-20℃、とここまで聞くと、

人の暮らせる場所?とつい疑問がよぎる、そんなところに建つ家です。

  

倉敷市在住の私にとって、寒さにおいては未知の世界の案件でしたが、

「北海道の家を参考に創ればどうにかなるんじゃない!」と彼にそそのかされ、

今のように、なんでも手軽にググれる…そんな時代ではなかったものの、

専門書を読みあさったり、彼の勤務する真新しい信州の大学を見学したりと、

断熱方法、また暖房設備については相談しながらの計画でした。

 

「観光地軽井沢」の住宅建設の難しいところは、

外仕事を行う為の工期がとても短いところ…。

冬の積雪、その上夏は観光地故の騒音問題のルールにより、外部の工事が出来ず、

春か秋の限られたタイミングで、一気に雨仕舞を終える状態までつくらねばなりません。

 

「この街にも似合いそうなチューダー様式の家が好み」

と、彼ら夫婦の希望にこれ幸い!

木造は木造でも一般的な在来工法ではなく、2×4工法を提案。

2×4工法の利点はパネルを組み立てる工法の為、上棟までのスピードが速い。

そして床と壁を重ねていく工法の為、上棟時すでに在来工法に比べ断然温かい。

若い頃、一時来る日も来る日もいやいや行ってた、

この2×4の構造設計業務が、こんなところで役に立つとは…

 

毎月通う事二年、地場業者の協力もあり、

延床面積60坪と少々大きかったものの、無事完成したのでした。

 

 

前置きが長くなりましたが、ここからが本題…

 

引っ越し後の冬、初めての積雪の頃かかってきた一本の電話、

 

彼 - 「昨日の雪、積もったんだけど今朝はもう降ってなくて…

    向かいの家の屋根の雪はもう解けてんだけど、

    ウチの屋根の雪はガンガンに残ってんだ!」

私 - 「???なにがそんなに嬉しんだ?」

彼 - 「屋根の雪が解けてないのは、室内の熱が漏れてない証拠…

 

それだけこの家の断熱と気密の性能が良いってことだよ!凄いよ!

どうりであたたかいはずだよ♪」

数値、データ、私の苦手なこれらより、ずっと解りやすい「見える化」

そんな、心温まる北国からの便り…

 

皆さんもこんな温かーい家、一軒いかがですか?

 

この記事を書いた人

髙見 修一
設計
髙見 修一
Takami Shuichi

家づくりは暮らしづくり。住む人によって、良くも悪くも暮らしは変わります。無理のない、身の丈にあった普段着のような…。そんな家づくりを提案できたらと想っています。 「今でもこの家が大好き!」20年後、そう思える家を一緒につくりませんか?