古民家再生
明治期の蔵を再生した家
歴史と思い出のある蔵を残せてよかったと感じています。

2020年4月にリフォームされたY様ご夫婦に、お話を伺いました。

◇リフォームしようと思ったきっかけは?
賃貸住宅の家賃がもったいないと感じ、家づくりを計画しました。土地を探しは中々良い場所がなく、道のりは長かったです。実家の母屋の建て替えも考えましたが、同じ敷地にある蔵に住むことを思いつき、リフォームすることにしました。立地が良く、小さいからコストも抑えられるので、良いのではと思いました。

◇リフォーム後の暮らしはいかがですか?
梁にあるように、明治36年に建てられた蔵は、昭和初期に現在の母屋の隣に移築されました。蔵だったので、暗さと厳しい暑さ寒さが気になりましたが、北側に窓を新設したり、2階に天窓を作ったりしたことで、思った以上に明るさを確保することができました。断熱性を良くして、エアコン1台で2階まで暖かく過ごせています。もともと蔵の壁は厚いので、防音効果もあるのが嬉しいです。

小さい空間の中に、私たちの希望する生活のしやすい動線を設計していただき、トイレや風呂などの配置を一直線にしました。空間がコンパクトなので、何をするにもすぐに手が届き、本当に生活しやすいです。また、収納を組み合わせた箱階段や、手持ちの家電のサイズに合わせた家電収納、随所に設けた収納棚など工夫して作っていただいたので、すっきりと暮らせています。

小さな子どもたちが伸び伸びと遊べるように畳のスペースを増築しました。くつろいで過ごすことができる畳スペースは家族みんなのお気に入りです。
リビングの一角に設けた子どものためのスタディスペースは、大人のテレワークスペースとしても活用しています。デスク前に設けた、蔵の壁の厚みを生かした出窓のような窓からの日差しが明るく、中庭越しに母屋との繋がりも感じられます。敷地内同居なので母屋との距離もちょうど良く、心地よく過ごせています。

蔵をリフォームして良かったことは、コストだけでなく、活用しなかったら朽ちてしまっていた建物を残せたことです。今思うと、歴史と思い出のある蔵を残せてよかったと感じています。

◇あとがき
蔵をリフォームした暮らしとは、どのようなものだろうと興味深くお話しを伺いました。実際に、Y様ご家族がコンパクトな空間を上手に利用して快適に生活されている様子が伺えて、こんなに心地よく住まうことができるのだと驚きました。蔵を残すことができて良かったというご主人の言葉が印象的でした。古いものを壊してしまうのではなく、生かしながらさらに豊かに暮らすことの素晴らしさを改めて感じさせられました。